使っているモノは何割ですか?~学校の整理収納あるある~
小学校の見学をさせていただきました
先日、とある小学校にお邪魔し、整理収納の観点から見学させていただきました。
消耗品や共有の備品などのありかが分かりやすく配置されており、これならば先生方は「ほしい時に欲しいものがすぐに使えるなぁ」と感心しました。
随所に、努力と工夫が見られ、私自身も大変勉強になりました。
学校の整理収納あるある
一方、「もっとこうするとよいだろうな」と思う点もいくつかありました。
それは、その学校に限らず、どの学校にも当てはまることだと思います。
事実、私が勤めていた時(整理収納を学ぶ前)もそうだったので、改めてここで確認させていただきますね。
よくいただくお悩みが
◉教材室や体育倉庫。いつの時代からあるか分からないようなモノが占領していて、本当に使う物がしまいづらい。そのせいで、授業準備や片付けに時間がかかるのです。
◉もう要らないんじゃないかと思うモノがたくさんあるのですが、私が判断していいのか?と思うと、結局そのままになってしまいます。
皆さんも、心当たりありますか?
モノと人との関係
ここで、「モノと人との関係」について見ていきたいと思います。
整理収納用語では、モノと人との関係を次の4つの領域に分けて考えます。
①アクティブ領域 人とモノとの関係がとても活発な状態。よく使っているモノ。
(例:のり、はさみ、チョーク、職員会議資料、PC、コピー機、教科書、指導書、ボール・・・)
②スタンバイ領域 今は使っていないけれど、すぐに取り出せたり使えたりする状態になっているモノ。
(例:握力計、万国旗、学習指導要領、お花紙&花子ちゃん・・・)
③プロパティ領域 ただ所有しているだけ。必要になった時に、どこにあるかすら把握できなくなっているモノ。
(例:他校の研究紀要、古い教材、何年も前の職員会議資料・・・)
④スクラップ領域 ただ廃棄を待つ状態のモノ。いわゆるゴミ。
(例:保存年限を過ぎた書類、備品・・・)
さて、あなたの職場は、どの領域のモノが多いでしょうか。
恐らく、「アクティブ」と「スタンバイ」がほとんどです!という学校は少ないのではないでしょうか。
教材室、教科準備室、保健室、体育倉庫、特別教室・・・「これは、いつからあるのだろう?」「何に使うのだろう?」「これ邪魔だなぁ」「要らないと思うのだけれど、私が判断していいのだろうか?」
・・・そんな「プロパティ」や、ともすると「スクラップ」までもがそのまま、という学校が結構多いのでは?
全体で情報を共有し、メスを入れよう!
「プロパティ領域」や「スクラップ領域」のモノにどいてもらうことで、「アクティブ領域」や「スタンバイ領域」のモノが、いい場所に収納・管理できることになります。
例えば、使うか使わないか分からないモノを押し込めていた学年の棚を整理し、スペースを空ける。
その生まれたスペースに学年共有の教材を分かりやすく並べることで、授業準備の時間がカットされるなどの効果が生まれます。
そのためには、特に「プロパティ領域」にメスを入れる必要があります。
確かに、税金で購入した学校のモノを、「今、この私が判断していいのだろうか」と不安になるのは分かります。
そこで、備品整理の日などに、職員作業として、プロパティ領域のモノがたくさん入っている部屋の整理を一緒にするのです。
そして、処分してよいかどうかを、管理職含め全体で確認し、判断する。
そうすれば、個人が責任を負わず、全体の課題として、使いやすい学校づくりができるはずです。
そうした作業時間を一日、いや半日確保することで、来学期からのスペースと心と時間のゆとりが生まれるとしたら、必要な半日だと思いませんか?
整理収納が、少しでも先生方の働き方改革に繋がったらという気持ちで活動しています。