男性育休の先駆者にインタビュー!3回の育休取得で得たものとは?

男性育休の先駆者にインタビュー近頃、「男性育休」という言葉を聞く機会が多くなりました。
2022(令和4)年に育児・介護休業法が改正されたことがきっかけです。この改正では、主に「男性の育休取得率の向上」を狙っています。

厚生労働省の調査によると、2022(令和4)年度の育休取得率は、女性が80.2%、男性が17.1%。男性の取得率は増加を続けているとはいえ、女性に比べるとまだまだ低い割合です。

では、男性育休を進めていくには、どうしたらいいのでしょうか。
また、男性が育休を取得するメリットは、どんなところにあるのでしょうか。

そこで今回、男性の育休取得率が1%だった頃から(2007年~)育休を3回取得してきた男性に、インタビューを行いました。

お話を伺ったのは、公立小学校で教員をしているAさん。現在、小・中・大学生3人の子どもを持つパパです。Aさんは、3人のお子さんそれぞれでの育休取得経験があります。

そんなAさんに、当時のことや、育休を取得したことによる変化などをお聞きしました。

育休取得した当時を振り返って

ーーそもそも、育休を取ろうと思った理由は何だったのですか?

Aさん:1人目が生まれてから、僕が仕事から帰ると、『今日はね、こんなことができるようになったよ!』と、育休中の妻が子供の成長を報告してくれていました。純粋に、自分もそういう場面に立ち会いたいなぁと思ったのが理由です。
2人目以降は、1人目で取っているので、もう自動的に(笑)。

ーー当時、周りに育休を取っている男性職員はいなかった時代ですよね。職場に取得希望の意思を伝えた時、周囲の反応はいかがでしたか。

Aさん:実は、管理職に初めて伝えた時点では、育休取得というのは自分自身でもまだ半信半疑で、“相談”ぐらいのつもりだったのです。
もしも、「Aさんの抜ける穴は大きいなぁ。考え直してくれないか」みたいに言われたら、育休はやめようかな とも思っていました。
ところが、管理職から返ってきた言葉は・・・「育休取ったら出世はないなぁ」「給与も上がらないかもね」だったのです!それならもう関係ないや、かえって取ってやれ!という気持ちに(笑)。
一方、女性の同僚からは、「あら、いいじゃない!」と好意的に受け入れられました。

ーー実際、育休から復帰してみて、管理職から言われたようなマイナスの影響はありましたか。

そういうことはありませんでした(笑)。
それどころか、現在の上司からは「あなたのような経験をした人が管理職になることで、子育て世代を中心とする様々なライフステージにいる職員が働きやすい職場づくりをすることができる」と期待してもらっています

 

ーー育休の前後で工夫したことや苦労したことはありましたか。

Aさん:引継ぎですね。僕の仕事の後任には、とにかく丁寧に引継ぎをしました。また、僕とバトンタッチで育休から仕事復帰する妻との(子どもや家事に関する)引継ぎもしっかりやりました。

育休に入ってから、公園や支援センターでママ友に交じって話したりするのは苦ではありませんでした。当時、パパが育休を取るというのは、今よりもずっとずっと珍しかったので、皆がチヤホヤしてくれましたから(笑)、輪の中に入っていくのは自然とできましたね。この時の“ママ(パパ)友”とのコミュニケーションで得たものは、保護者対応など、復帰後の仕事にもバッチリ生かすことができています。

男性育休

育休を取得してよかったこと

ーーでは、育休を取ってよかったことはズバリ何ですか?

Aさん:主に3つあります。1つ目は、地域とのつながりができたこと。
いざという時に助けてもらえる、気にかけてもらえる関係がある、ということですね。

2つ目は、夫婦関係が今でも良好なこと。
お互いがそれぞれのポジションを体験(しかも3回も!)したことで、気持ちが分かるからだと思います。

3つ目は、今でも子どもとの関係がいいこと。
これが一番大きいと思っていて、思春期に入っても、息子だけでなく娘も「パパ好き」でいてくれています。
これは、育休中にガッツリ向き合ったからこそで、これだけを見ても育休を取ってよかったと思っています。

 

男性育休を広めるために必要なこと

ーー3回の育休で、「お金では買えないかけがえのないもの」を得られたということがよく分かりました。育休経験は、自身の仕事や職場にもよい影響をもたらしそうですね。
では、男性育休を広めるために必要なことはどのようなことだと考えますか。

育休に入る人にとっての一番の不安は、「周りの人に負担をかけないか?」ということだと思います。自分が抜けた分をカバーしてくれる人材がいれば、安心して育休に入れますね。
一方、中小企業などでは、代替要員が確保できないといった課題も耳にします。であるならばせめて、子育てや介護、不妊や病気の治療といったそれぞれの事情に合わせて休みを取ることを「お互い様」と思える風土が必要だと思います。「子どもの有無にかかわらず、誰もが休みを取りやすい環境整備」をそれぞれの組織で考えていかなくてはいけないなと思います。

ーーありがとうございました。最後に、育休取得を迷っている男性へ一言!

ぜひ、1人目で迷わず取りましょう!特に1人目は、上の子のお迎えの時間などを気にせず、1対1でガッツリ向き合うことができ、いわゆる「育休の醍醐味」を味わえたと思っています。
パートナーと一緒に取る方法もありますが、個人的には時期をずらして取ることをおススメします。自分が家事育児に専念することで、パートナーの仕事復帰をスムーズにする応援ができるから。
自分が家事育児に主体的に関わった経験や、パートナーが仕事に全力を注げる時期というのは、夫婦関係やキャリアの見直しに、後々重要な意味を持ってくると思っています。
育休は、その時だけでなく、10年20年後の家族に影響します。あなたもぜひ!

 

今回、男性育休の先駆者であるAさんに、とても有意義なお話を伺うことができました。先日参加した「ライフ・ワーク・バランスEXPO東京」でのお話と重なる部分も多く、Aさんすごい!と改めて実感。
Aさん、貴重なインタビューの機会をありがとうございました。

Sukkiri-Styleのサービスは、男女問わずご利用いただけます。これまでも、復職準備プログラムを一緒に受講くださるご夫婦も複数組いらっしゃいました。今後は、男性育休取得者の方もお役に立てるよう精進してまいります!

 

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