【育休復帰】時短勤務は、教員には無理?

出産前と同じようにやっていけるか、が最大の不安

育休中の方は、復帰が近づくにつれてどんな気持ちになるのでしょうか。

子どもベッタリの日々も楽しかったけど、そろそろ仕事をしたい!と、ワクワクする方もいるでしょう。

妻や母の役割メインだった育休期間を経て、「社会の一員として働くこと」への価値を再認識する方もいるかもしれません。

 

一方で、一番の不安は、何といっても「復帰して、やっていけるか」ということではないでしょうか。

仕事プラス家事・育児。

出産前に「かける時間の長さで仕事量をカバーする」という働き方をしていた方は、特に不安な気持ちかもしれませんね。

 

では、時短勤務を検討する?

では、フルタイムではなく、「子を養育するために認められている休業や勤務形態」(以下、まとめてここでは「時短勤務」と表します)を取得することを検討しますか?

 

過去の復職準備プログラムの受講生や、相談者の方々の多くは、教員という職業の特性からか、最初から時短勤務は選択肢に考えていないという方がほとんどでした。

実際、私自身、2回の育休復帰とも、最初から選択肢に考えず、フルタイム&学級担任での復帰をした一人。

「時短?・・・そんなの無理無理」
と、頭から決めつけていました^^;

 

さらに、昨今では全国の公立小中学校で“人手不足”が起こっています。

自治体によっては、育児短時間勤務を補充する教員どころか、産休・育休の代替教員も見つからず、「未配置」が起こっている学校もあります。
(実際、私の元にも同様のケースでご相談があったことも。)

 

こういう情報を聞くと、時短勤務を検討しようかなと思ったとしても
「フルタイムで復帰するしかないか・・・」
と、諦めてしまう方もいるのではないでしょうか?

 

しかしながら、実際に取得して、仕事と家事・育児を両立している方々がいらっしゃるのも事実です。

子どもを預けて出勤

 

時短勤務のメリットデメリットを知った上で選択を

ここで浮かんでくるのがこんな疑問!

・時短勤務は、周りの先生方に理解されている?

・肩身は狭くない?

・実際問題、限られた時間で仕事をこなせる?

・他の先生方と、どのようにコミュニケーションをとっているの?

・メリットとデメリットは?

・管理職にはいつ頃伝える?「取得は難しい」って言われたらどうすればいい?

などなど。

【関連記事】
時短勤務で育休復帰したい教員必見!管理職への伝え方は?相談・交渉のコツ

 

そこで、「育児短時間勤務」取得経験のある先輩ママを囲んでお話しする会を、私も不定期ですが企画しているわけです(私自身も学んでいます)。

 

そもそも、子を養育するために認められている勤務形態・休業は
「育児短時間勤務」
の他に

「部分休業」
「育児休暇」
などがあります。

それぞれ、
有給の範囲内でとれるものと、減給されるもの
代替教員が来るものと、来ないもの
取得できる子どもの年齢
などの違いがあります。

 

それぞれの違い、分かりますか?

 

育休教員

■育児短時間勤務 給与:勤務時間に応じた額

・正規より短い勤務時間(半分程度)で働く制度
・1週間の勤務形態
①週24時間35分勤務(4時間55分×5日)
②週23時間15分勤務(7時間55分×3日)
③週19時間35分勤務(3時間55分×5日)
④週19時間25分勤務(7時間45分×2日+3時間55分×1日)
・子が小学校に上がる前まで(満6歳になって最初の3月31日まで)※部分休業と同じ
・男性も育児短時間勤務ができる。(夫婦同時にも可)
・育児短時間勤務を取得している職員は部分休業を取得できない。特別休暇(育児時間)は取得可。
・年休は勤務形態等に応じて付与。
・給与に影響あり。 ※部分休業よりも影響は大

◎代替教員が来るというのが、部分休業や育児時間との大きな違い。 ただし、昨今では代替が見つからず、取得を諦める、あるいは欠員のまま取得するというケースが増えている。

※勤務形態①~④のうち、保育園入園基準に引っかかってくる場合があるため、各自治体の保育課に確認の上、自分に合った勤務形態を選ぶ必要がある。

 

■部分休業 ※給与:取得した時間分減額

・正規の勤務時間の始めor終わりに、1日2時間を超えない範囲内で、30分単位で休業すること。
(朝30分遅く登庁する、夕方1時間早く退庁する、等)
・共働きの場合、夫も部分休業ができる。(各自2時間まで)
・・・保育園への送り迎えを夫婦で分担して行う、等ができる。
・子が小学校に上がる前まで(満6歳になって最初の3月31日まで)
・育児短時間勤務者は申請できない。
・給与に影響がある。
・育児時間(特別休暇)と組み合わせることが可能。(但し、部分休業は「2時間-育児時間」の範囲内に)
育児時間取得対象年齢なら、育児時間を有効活用する方が給与面で有利

 

■育児時間(特別休暇)※有給

・生後満1年6月に達しない子を育てている場合(自治体によって2~3歳までというところも)
・1日2回、一日を通じて90分以内
・配偶者が育児時間を利用する場合はその時間が減じられる

 

※自治体によって、運用が異なる場合があります。
詳しくは、管理職または事務担当者に問い合わせて確認しましょう。

そして、一番大切なのは「時短勤務(部分休業や育児時間)を取る必要性」を具体的に説明できるかどうか。

もちろん、制度があるのですから、条件を満たしていれば取得する権利はあります。

ですが、管理職に気持ちよく動いてもらうためにも、家族で目的を共有するためにも、ただ単に「子どもが小さいから」だけではなく、必要性を具体的に説明できた方がいいと思います。
取得したのに残業とならないためにも、自分自身で必要性を認識しておく必要がありますね。

(自分の頭の整理のためにも、図や文字で書いてみるのもおススメ!)

 

情報を集め、吟味した上で、判断を!

誤解してほしくないのですが、私は時短勤務取得を推奨しているわけではありません。

ですが、かつての私のように、全く選択肢に考えなかったり、頭から無理と決めつけて情報収集をしなかったりするのはもったいないと思うのです。

それぞれのメリット・デメリットをきちんと理解し、「私は○○を優先して、こうする!」と決めて選んだなら、たとえ大変な場面に遭遇したとしても、後悔はないですよね。

 

これから学校現場に戻る先生方には
自分に合った働き方を自ら選んでほしい
と思うのです。

 

「自分に合った働き方」とは、
その時の状況の中で、自分の力を存分に発揮できる働き方
だと考えます。

そのスタイルは、長い教員生活、その時々で違っていいはず。

一日でも早く、じっくりと考えてみてくださいね!

 

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【育休復帰】時短勤務は、教員には無理?” に対して2件のコメントがあります。

  1. あやか より:

    今回8日の会は育児短時間勤務の教員の方からお話伺えるのでしょうか。『部分休業」
    「育児休暇」についても詳しく聞けますか?

    1. @sukkiri より:

      あやか様
      コメントありがとうございます。
      育児短時間勤務取得中の小学校教諭の方がゲストです。
      部分休業・育児休暇についても触れます。
      あくまでも「こういう取り方をしている方がいますよ」という事例のご紹介にはなります。
      (法律の専門家ではないので)
      ご参加ご検討いただけたら幸いです。

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