育休明け教員のスムーズな復帰の重要性について
教員時代の【育休→復職】経験と整理収納アドバイザーとしてのスキルを生かし、育休ママがスムーズに仕事復帰するためのお手伝いをしています。
先日、育休から復帰して間もない(1~3年目)小学校教員の方々とお会いする機会がありました。
担任or担任外、時短勤務取得の有無などの違いによって置かれている状況はそれぞれ異なりますが、小学生を預かる学校現場で働くということ・・・常に緊張感をもって子育てと両立されているということを感じました。
皆さん、ギリギリのところで踏ん張って頑張っている!!
この大変な時期、つまり「育休明けの数年間をいかにスムーズに乗り切るか」が学校現場に貴重な人材を残すことに繋がると改めて実感しました。
◆育休明け教員は貴重な戦力!
本来、育休明け教員は、学校現場にとって貴重な戦力になるはずです。
もちろん例外はありますが、年齢から考えても
・数年以上経験を積んでいる
→教員としての基本的なスキルは身についている
・自身の子育て経験がある
→児童生徒への見方や寄り添い方が余裕をもってできる
→保護者への対応もしやすくなる
というように、育休明け教員は、教員としての重要な資質を十分に身に着けているはずなのです。
◆公立小学校のアンバランスな年齢構成の現状
一方、公立小学校教員の年齢構成はざっくり以下のような現状です(都道府県によって多少違いはあるかもしれませんが)。
・50代が最も多い
・40代が最も少ない(←私の世代)
・30代前半から20代にかけて徐々に多くなる
第二次ベビーブーム時代に大量採用された教員が退職期を迎え、その穴を埋めるために新規採用者を増加したことにより、このような現象になっているのです。
ちなみに、私自身は採用数の少なかった時代。
初任校では「何年振りかもわからない久しぶりの新任」として扱われ、その後異動するまでの4年間、新任は入ってきませんでした。
つまり、ずっと「後輩ができない=下っ端」。
さらに、異動先した先でも一番下っ端(笑)。
数年かけて、先輩教員からも丁寧に指導を受けることができる時代でした。
私自身、今振り返っても、その数年で得た生徒指導や授業の技術・考え方は、その後の教員人生の基盤になっています。
しかし、今は大量採用の時代。
学校規模にもよりますが、各校に毎年2人ずつ新任が入ってくるような時代です。
毎年増え続ける若い先生たちにきめ細かな指導が追い付かないというのが現状なのではないかと思います。
長男の育休明け復帰後2年目の頃。
◆育休明け教員の抱える困難
育休明けの教員は、様々な側面から難しさを抱えていると思われます。
①ブランクによる変化への対応
休んでいた数年間に、現場でもシステムや人事異動などの色々な変化が起こっています。
場合によっては、自身が復帰と同時に異動という場合もあります。
保育園への子どもの送り迎えも含め「生活」と「仕事」、両方の環境の変化に適応しなくてはなりません。
②出産前との働き方を変える必要性
保育園に通う子どもを抱えながらの仕事は色々な制約が出てきます。
・送り迎えがあるため出退勤時刻が決まってしまう
・急な発熱などで休まざるを得ない
これらは教員に限ったことではありませんが、出産前は「時間をかけることで仕事量をカバーしていた」ような人も、働き方を見直す必要性が生じます(もちろん、それは良い面もありますが)。
③責任の大きい仕事を任される世代
自由の利く時間が減る一方、世代的には「中堅」と言われ、責任のある仕事を任される年代でもあります。
私自身、一人目の育休明け一年目は生徒指導主任、翌年は学年主任。
二人目の育休明けは、復帰と同時に異動&書写部長(市全体の書写主任を取りまとめる役)が回ってきました(自ら希望したわけではもちろんありません!)。
学校全体や対外的にも連絡調整が必要となる仕事を多く任されるということは、自分の学級の仕事だけに集中していられないということです。
長男妊娠時、理科の実験中
◆最後に・・・私ができる事と今後の課題
アンバランスな年齢構成にある学校現場において、ベテラン教員の経験やスキルをいかに若手の教員に伝えていくかが課題の一つになっています。
教員に限ったことではないかもしれませんが、“ジェネレーションギャップ”との声も多く聞こえてくる時代です。
育休明け教員は、そのつなぎ役になる世代。
その世代が、精神的・肉体的に参ってしまい、休職・退職してしまったら・・・本当にもったいない!
私ができることは、
・整理の力で育休後の生活がスムーズに回るような仕組みづくりのお手伝い
・時間管理力などご本人のスキルアップ
・家族力を高めるアドバイス
つまり、育休ママご本人(=個人)へのサポートです。
と同時に、学校現場や行政の努力で、育休明け教員の復帰がスムーズにいくようなシステム作りもしていただきたいのです。
これは今後、出産世代がますます増えるであろう学校現場においては急務であると考えます。
「育休明け教員がいかにスムーズに復帰できるか」
・・・今後の教育界にとって大きな課題の一つです。
そのために、私も自分にできることでお手伝いしていきます。
それが今の私にできる、教育現場への貢献だと考えています。
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