学級経営と整理収納の共通点~「仕組み作り」の重要性~
教員時代の私の失敗経験
教員一年目。教育実習と1年間の非常勤嘱託講師経験のみで本採用になった私。
希望に胸を膨らませて教壇に立ったものの、当時は採用数が少なかったため、学校全体に「初任者アレルギー」があったのだと今振り返ると思います(担任が週に1回初任者研修で不在になることへの保護者の不安。その日に行事を当てられれないため、行事変更を余儀なくされる職員たち・・・)。
また、その不安を打ち消すほどの力が私になかったのも事実です。
気づいた時には、児童や保護者との信頼関係が上手く築けずに、学級が上手く機能しなくなっていました。
いわゆる『学級崩壊』というやつです。
今振り返っても胸が痛い一年目で、当時の保護者や児童には本当に申し訳なかったなと思います。
幸い、1年目の反省を生かし、2年目以降は自分の教員としての軸を作り、14年間の教員生活を送ることができました。
整理収納の仕事をしている今、教員の仕事(主に学級経営)と整理収納は、多くの共通点があると感じています。
これから教員になろうと思っている方や、育休から久しぶりに現場に戻るという方に、少しでも参考になればと思い、今日はその共通点について書いていきます。
目先の「方法」から入りがち
経験が少ないと、つい「○○指導法」とか「△△術」のように「方法」から入りがちになります。
思い当たることありますか?
特に、ネット社会になった今、こうした「○○指導法」とか「△△術」の情報は手軽に入手できることができますよね。
とりあえず、目新しいことや奇をてらったことをしていれば、「工夫している感」が出ます。
でもこれでは、ともすると「方法」=「目的」になりがち。
そもそも、「なんのためにするのか」がはっきりしないまま「方法」ばかりをつまみ食いをしていると、ブレてしまうのですよね。
そのブレブレ感は、児童生徒に見事に見抜かれます。
一方、整理収納ではどうでしょう?
「さあ、片付けよう!」と思った時に、まずは収納グッズを買いに走ったり、インスタやブログを検索したりしていませんか?
その収納グッズが使いやすいか、その方法が家族に合っているかは、家庭によって違うもの。
学級経営と同じで、「何のためにそれをするのか」がはっきりしていないと、一見片付いたように見えても、根本の解決にはならないのです。
最初が肝心「仕組み作り」
では、まず初めにすべきことは何か?
学級経営なら、「どんな児童生徒に育てたいのか」「どんな学級にしたいのか」。.
整理収納なら、「片付けてどんな暮らしがしたいのか」「この家で何を叶えていきたいか」。
「目的」(=ゴール)をはっきり描くことなのです。
私の教員一年目は、ここが漠然としていた(楽しいクラスとか、学力の基礎基本を身につけるとか)ので、「保護者や児童に好かれたい!」という思いが先に立ってしまったのですね。
だから、教員としての軸がブレブレだった。
すると、声の大きい保護者や児童からの要求はさらにエスカレートする。
応援してくれていた人からの信頼も離れていく。
私自身も、自分らしさを発揮できず・・・誰にとっても、よくないという状態に。
そこで、2年目からは「自分の信念」を元に、最初の一ヶ月で
・生活と学習のルール作り
・「こんな時は許さない!」の徹底
・学校って楽しい!を味わわせる
ができるように、「基礎固め」「仕組み作り」に力を注ぎました。
中には、児童の話を丁寧に聞いたり、想いを伝えたりすることに時間がかかることも。
それでも、急がば回れ。
結果的には、問題が起きてから対処するような目先のことに追われることがとても少なくなり、本来力を入れるべき授業に集中できるようになりました。
整理収納も全く同じ。
家族が出したモノを、場当たり的に「とりあえず」しまう。
収納からはみ出てきたモノを、「とりあえず」入れられる収納用品を買って詰め込む。
片付いていないとイライラするから、「とりあえず」家族に強く言って片付けさせる。
・・・これだと、一瞬・その時はよいかもしれませんが、すぐに元通りになるのは目に見えていますよね。
いつまでこれを続けますか?
あなたはもう気づいているはずです。
自分で管理できる量にする必要のあること。
面倒でない場所に住所を決めてあげる必要のあること。
そして、使った人が戻してくれる仕組みになっていたらどんなにラクかということを。
「仕組み」ができれば、本当にやりたいことにエネルギーがかけられる!
確かに、はじめの「仕組み作り」は、少し時間と手間がかかります。
でも、ここを頑張れば、本当にやりたいことにエネルギーがかけられるのです。
学級経営で言えば、最初にルール作りや人間関係作りをしっかりしておくと、問題の起こりにくいクラスになるばかりか、自分が不在時でも給食や掃除、学習がスムーズに進められるクラスになる。
整理収納では、最初に家族としてどんな家にしたいかを確認し、それに向かってモノを整理し住所を決めていけば、使った人が元に戻せ、探し物にかけていた時間を減らすことができる。
「仕組み」ができれば、本来やりたいことが思い切りできるようになるのです!!
さあ、ここまで読んでくださったあなたは、今やるべきことが見えてきたはず。
「目の前のことに追われてばかり」という日々から卒業しましょう!