休校中の新1年生保護者へ「勉強は何をしておいたら大丈夫?」にお答えします
元小学校教師の整理収納・育休ママコーチ
Sukkiri-Style 村田美智子です。
緊急事態宣言が延長され、5月31日まで休校になりました。
特に、授業を受けることのないまま家庭での生活に突入した新1年生(の保護者)は、一日をどうすごしたらよいのか、勉強は何をどこまでやっておけばよいのか、不安になっている方もいらっしゃるかと思います。
私の元へも、新1年生の保護者の方から続けてご相談が届いたりしています。
そこで、生活と学習について、本来であれば新年度当初の4・5月に学校ではどんなことをしているのか、そんなことも含めながら私なりの考えをお伝えしていきたいと思います。
一番大事なのは「学校楽しみ!」の気持ち
まず最初にお伝えしておきたいのは、「字はひらがなだけでいい?カタカナも?」「計算は?」「○○はどうする?」と焦って詰め込もうとしないこと。
なぜなら、学習というのは、「興味のあるタイミングで学ぶ」のが一番吸収するからです。
休校中に「知識をつけること」に重点を置くあまり、
「勉強いや!」「勉強つまらない!」=「学校楽しみじゃない」
とならないようにすることが大切です。
この休校期間を、学校が再開した際に、学校での内容をぐんぐん吸収できるようにするための「土台作り期間」と捉えるとよいのではと考えています。
その土台とは
・勉強・学校楽しみ!な気持ち
・分からないことや困ったことがあった時に、伝えられる親子関係(心の安定)
今、学校現場も前代未聞の事態に直面し、この休校期間の対応に試行錯誤していると思われます。確かに、学校に対する不安(不満!)をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、学校への負の感情は子どもにも伝わります。
このような時間は、この先一生手に入らない!と思って、いっそのこと親子で楽しんで過ごそうぐらいの気持ちの方が、いい効果を生むかもしれません。
では、具体的にはどうしたらいいのでしょうか。
1.生活・・・最低限のリズムが崩れなければ良しとしよう
「学校と同じような時間で動かなくちゃ」
「細かい時間割を作ると良いって聞いたけど・・・」
不安になって情報を色々と検索すると、各家庭の工夫がいっぱい出てきて焦る方もいるかもしれません。
ですが、「学校」という場所を経験していない新1年生にとって、そもそも「時間割」という概念がないのです。
また、「幼稚園に行けば、お友達と遊べる!」「保育園で○○したい!」と通っていた時と違う今、規則正しく動く『目的』が、子どもにとってありませんね。
ですから、
●起床・就寝と食事の時刻を毎日大体同じにする(学校生活にスムーズに入れる程度に)
●机に向かう時間を少しずつ伸ばしていく(内容は下記参照)
を最低限押さえていれば、あまりきっちりできなくてもよいと思うのです。
(もちろん、『学校ごっこ』のように楽しみながら、時間割通りに動けたらそれはそれで良いですね!「給食」「お掃除」のように、学校生活はこんな感じだよと伝えながら、お手伝いに巻き込んじゃうのもありです!)
また、一日の中で「自由に過ごす時間」もたっぷりとってあげたいもの。
人から与えられる「やらなくてはいけない課題」以外の、自分が本当にやりたいことに集中できる時間です。
工作、お絵かき、プラモデル、漫画 etc・・・
それが勉強でなかったとしても、この「集中力」が新しいことを吸収する際の「土台」となるのです。
そして、この時間には保護者の方もちゃんと自分時間をとりましょう!
ちなみに、小さい子どもほど、先に体を動かしてからの方が集中しやすいというデータもあるようです。
公園も利用しにくくはなっていますが、人のあまりいない場所を選んで、運動や遊びをしてから学習へ(動→静)と、行動の順番も工夫するとよいでしょう(カードや表を使い、一日の流れを自分で決めさせてもいいですね!)。
2.家庭学習「国語」で押さえたいこと
1年生の教科書はご覧になりましたか?
びっくりするほど、絵ばっかりですよね。これでどうやって授業するの!?みたいな(笑)
(私も、最初に1年を担任した時に、「これで45分もつかな?」と思ったものです。)
1年生の国語の授業は、『絵を見ながら、友達や先生とお話しする』ことから始まります。
そう、本人は勉強している意識がなくて(遊んでいるつもりで)も、結果的に勉強になっているのが理想的。
よって、文字を「書く」前のステップ「読む」を遊び感覚でたくさん取り入れるのがおススメです。
・かるた(親子や兄弟姉妹で読み手・取り手を交代する)
・フラッシュカードでこれ読めるかなクイズ(2文字、3文字・・・の言葉カードを見せて読ませる。慣れてきたら小さい「ゃ ゅ ょ っ 」や濁音を含む語を混ぜる)
・追い読み(教科書を親が読み、その後を子どもが読む)
・交代音読(1文ずつ親子で交代して読む)
「読む」に慣れてきたら
・文字練習
・○○日記(交換日記・想像日記 など)
・(興味のある事柄についての)説明書を書く
など、子供の興味・段階に応じて「書く」も取り入れるとよいでしょう。
もちろん、通信教材を取っている方は、上手に組み合わせて活用してもいいですし、ワークやドリルを進んでやりたがるお子さんにはストップをかける必要もありません。
また、カタカナは授業時数も少ないため、「書く」前に見慣れておくとスムーズです。
⇒カタカナかるた 無料ダウンロード(ちびむすドリル)
学校から課題が出ている場合も、段階を踏んだ課題になっているとは思いますが、机に座って「書く」課題と、遊び感覚で取り組めるものとを、一日の中でうまく組み合わせるとよいですね。
3.家庭学習「算数」で押さえたいこと
算数の教科書も、最初は絵ばっかり!
はじめは具体物を数えるところから始まって、徐々に『数』という抽象概念へ移行していくのです。
ですから、いきなり1+1の計算に入るのではなく、身の回りの物をたくさん数えることから始めましょう。
(この数の操作をたくさんしていると、計算にもスムーズに入れます。)
こちらは、先日の我が家の一コマ。
トランプのポーカー大会をして、景品に息子が用意したお菓子を「平等に」配るために、数を数えました。
ちなみに、我が家の子どもたちは、小5・中3です(笑)。
このように、少し意識をすれば、日常の中で「楽しみながら学びになってしまう」ってことはゴロゴロ転がっています。
他には、
・数を1から10まで数える⇒少しずつ増やしていく
・数をさかさまに数える
・5ずつ数える(5・10・15・・・)
など、色々なパターンで数えるというのをやっておくとよいです。
(お風呂の時間にパパに任せるのもいいですね!)。
あともう一つ、ぜひ取り組んでおくとよいのが「10のペアを作る」(数の分解と合成)というもの。
8⇒2、5⇒5、4⇒6 のように、足すと10になる数のペアを答えられるようにしておくのです。
これは後々、繰り上がりの足し算・繰り下がりの引き算でめちゃくちゃ役立ちます!
はじめは、子供が出題者でもOK!
(例)親:「1~10の数字を言ってね。全部で10になるようにお母さんが答えるよ。」
子:「3」⇒ 親:「7」
子:「9」⇒ 親:「1」
慣れてきたら、子供が回答者になります。
あまり心配しすぎず、毎日を健康に楽しく過ごそう
ここまでいろいろと書いてきましたが、授業を受けられていないのは周りも一緒。
あまり神経質にならないでくださいね!
長い人生でみたら、この休校もほんの数か月のこと。
かく言う我が家も、中3の受験生がいますが、なるようにしかならないと腹をくくり、とにかく心と体の健康を保つことに専念しています。
もう一度繰り返しになりますが
子供の「学校楽しみ!」「勉強楽しみ!」の気持ちを消さないよう、できることを楽しみながら取り組んでくださいね!
振り返って「あのときのあの時間は貴重だったね」と思えますように。
それでも不安な方へ
親子で受講できる「学校ごっこ」はいかがでしょう?